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不眠症②

狭義の不眠とは、”Physiological=生理的要因による不眠”のグループの中の原発不眠症が該当すると思われる。これは、不眠の原因となる身体的・精神的疾患や障害、薬物の影響がないにもかかわらず、安静的に不眠が持続し、覚醒時には疲労感、不安、抑うつ、注意集中困難を自覚するものである。精神生理性不眠、ICD10の非器質性不眠症とほぼ同義と考えてよい。要するに原発不眠症でなければまずは原因となる身体疾患や精神疾患の治療、その他の原因の除去、というアプローチになる。

 

原発不眠症の患者は、不眠を主訴に受診する患者の約2割を占めるという。この患者の特徴は、不眠に対する過度のとらわれと不安、昼間の覚醒時の緊張・覚醒度の増加である。がんばって眠ろうと努力をし結果は裏目にでる。むしろ、眠ろうと意識していないときは眠れてしまう。

 

睡眠ポリグラフでは、入眠にかかる時間(入眠潜時)は長く、総睡眠時間が短く、中途覚醒と浅いノンレム睡眠は増加している。MMPIでは抑うつ、心気症、ヒステリー、精神衰弱尺度が高いという報告があるが、生来のものか不眠の悩みを反映したものかは不明である。

 

前述のように眠ろうと努力をするため、眠くないのにベッドに入り、結果眠れず、やがてはベッド=眠れない場所という悪しき学習、条件反射が形成されていく。治療としては睡眠薬を主とした薬物療法も選択肢になるが、非薬物療法として刺激調整療法の有効性が確立されている。

 

1.眠くなってから布団に入る。

2.寝床は眠るためだけに使う。

3.寝床に入ってから10分経っても眠れないなら、寝室を離れる。眠くなるまで何か退屈な作業をする。時計は見ない。眠くなった時のみ寝床に戻る。

4.必要であれば、一晩中、3を繰り返す。

5.どんなに眠れなくても起床時間は一定にする。

6.昼寝はしない。

 

その他には睡眠を妨げるような環境・生活要因を除去するための睡眠衛生の指導も重要となる。要因の具体例として、カフェインやアルコールの摂取、不規則な生活習慣、運動のしすぎもしくは運動不足、騒音や光など、また最近ではスマートフォンやパソコンのブルーライトも不眠の原因になりうる。

 

その他には、睡眠に対する認知療法森田療法、リラクセーション法などをとりいれる。

 

(①と同じく『標準精神医学第5版』を参考にしました)